こうした課題意識のもと、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)は、東京都と連携し、シリコンバレーを拠点とする世界的VCファーム「500 Global」の知見を結集した、次世代ベンチャーキャピタリスト向けプログラム「VC Unlocked: Tokyo 2025」の開催を発表した。日本の投資家が世界で戦うための「武器」を授ける、画期的な取り組みが始まる。
世界トップレベルのVCから直接学ぶ、超実践的プログラム
「VC Unlocked: Tokyo 2025」は、日本の投資家がグローバルスタンダードの投資理論と実務を体系的に習得することを目的に設計された集中プログラムだ。運用資産24億ドルを誇り、世界80カ国以上で3,000社以上のスタートアップを支援してきた「500 Global」が全面的に協力。第一線で活躍する米国VCによるレクチャーや、即戦力となるスキルを磨く実践型ワークショップが提供される。
プログラムは4日間の対面セッションと1日のオンラインセッションで構成され、以下のテーマを深く掘り下げる。
- 投資フレームワークの理解と設計
- ファンドモデリングとポートフォリオ構築
- スタートアップの評価、ディールフロー管理、キャップテーブル分析
- タームシート交渉とフォローオン投資の実践
- 米国を中心とする海外VC・LPとのネットワーク構築
単なる知識のインプットに終わらない。参加者の一部には、米国ベイエリアでの現地プログラムに参加し、現地のトップ投資家と直接意見を交わす機会も提供される。これは、日本のVCが世界最先端の空気に触れ、生きたネットワークを構築するまたとないチャンスとなるだろう。
日本の投資エコシステムを次のステージへ
本プログラムは、個々のキャピタリストの能力向上に留まらず、日本のVCエコシステム全体の底上げに寄与する可能性を秘めている。グローバルな投資基準を身につけたVCが増えることは、国内スタートアップの資金調達環境を質的に向上させ、海外投資家を呼び込む呼び水にもなる。
挑戦者を発掘し、評価し、支援する――。我々投資家が「産業創造のパートナー」として真価を発揮するためには、絶え間ない自己研鑽が求められる。ジェトロと500 Globalが提供するこの機会は、次世代の産業を担う投資家にとって、大きな飛躍のきっかけとなるはずだ。
開催概要・応募について
- 日程(対面): 2025年9月29日(月)~10月2日(木)
- 会場: Tokyo Innovation Base(東京都千代田区)
- 日程(オンライン): 2025年10月3日(金)
- 言語: 英語(講義・資料ともに)
- 定員: 30~35名程度(書類選考あり)
- 参加費: 無料(国内交通費・滞在費等は自己負担)
- 申込締切: 2025年8月25日(月)23:59(日本時間)
- 募集対象: VC等で3年以上の投資実務経験、3〜5件以上のディール実行経験を有し、英語でのコミュニケーションが可能な方。
- 詳細・申込ページ: https://www.jetro.go.jp/events/ivd/d069f4e6b8da5bf0.html
日本の未来を創る熱意ある投資家の応募を期待したい。
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